新人看護職員にとって、免許をもった看護師として初めて臨床現場に出ることは、わくわくした期待感以上に、自律した看護師として成長できるかどうかの不安が大きいかもしれません。当院では、「全員がプリセプター」の方針の下、新人看護師ひとりひとりの知識や技術の習得状況や精神面を確認しながら、こまめなサポートができるよう教育体制の工夫をしています。
新人看護職員研修ガイドラインをもとに技術研修や実務研修を企画しており、約1ヶ月間は、看護技術の基本を学ぶ「初期集合研修」と、配属部署における「シャドー研修」を並行して行います。そして、プリセプターと毎日の学びを振り返る時間をもちながら、徐々に「実務トレーニング」に移行し、最終的に技術の自立を目指します。
5月以降も、新人看護職員の知識獲得や技術習得の進捗にあわせたテーマで集合研修を行い、新人同士で交流しながら学ぶ機会も作っています。このようにして、知識と実務を統合した状況判断ができる実践能力を身につけていきます。
また、新人看護職員は、短期間で多くのことを学ぶため、緊張感が続く日々と思いますが、それが心身にマイナスの影響を及ぼさないよう、3か月ごとに心理士による「メンタルサポート」を組み入れています。
新人看護職員における教育体制
新人看護師サポート体制
研修は全体研修と現場研修を並行した体制
実地指導者と教育担当者がフォロー
臨床心理士・外部講師による定期的なメンタルサポート
新人看護師研修
4月 | 合同オリエンテーション(医療安全・感染対策)・看護技術集合研修(注射・採血・吸引・心電図・清潔・排泄・移動・酸素吸入・記録) |
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5月 | 輸液ポンプ・シリンジポンプ取り扱い |
7月 | 救急看護 |
9月 | リフレッシュ研修 |
10月 | 院内留学 |
11月 | 薬剤研修 防災・災害研修 |
12月 | 認知症看護 |
1月 | 人工呼吸器研修 |
教育理念
地域の方々に貢献し得る感性豊かな人間性を養い、信頼される看護が提供できる人材を育成する
教育目標
教育体制としては、あさひ総合病院の特色である地域看護・老年看護の視点を取り入れたクリニカル・キャリアラダーを基本に目標を達成するための研修を企画しています。
クリニカルの部分はJNAラダーに沿った看護の核となる実践能力、キャリアの部分は当院が求める看護師のコンピテンシーについて段階的に学んでいきます。
ラダーⅠ、ラダーⅡでは、看護実践に必要な基本的知識・技術の習得を重点に、フィジカルアセスメント力の向上に力を入れています。ラダーⅢ以上からは、リーダーシップや役割遂行、地域との連携の能力の習得に重点を置き、管理的なことも学んでいきます。
日々の看護実践の中で、それぞれの段階に合わせた事例報告や実践活動報告を実施しています。また、専門性を高めるために、「認定看護師」や「専門看護師」、「看護師の特定行為研修」、「管理者研修」への参加を支援しています。
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