あさひ総合病院　内科　藤井　みのり　医師

　今年度から赴任した藤井と申します。朝日町の人の温かさに支えられながら、日々診療に励んでいます。今後ともよろしくお願いいたします。

　さて、日常診療の中で、たばこをやめられないという方をかなりお見かけします。中には、「少しずつ減らそうとがんばっているところ」という方もいらっしゃれば、「禁煙はすでにあきらめている」という方もいらっしゃいます。喫煙を続けていると、肺癌はもちろん様々な癌、心筋梗塞などの冠動脈疾患や脳卒中などになりやすくなります。しかし、このような知識があっても喫煙をやめる助けとしては限定的です。実はわが国の医師の喫煙率は、世界の喫煙対策先進国から比べると、かなり高いのです。わが国の「喫煙ガイドライン」の言葉を借りれば、喫煙は個人的趣味・嗜好の問題ではなく、「喫煙病（依存症＋喫煙関連疾患）という全身疾患であり、喫煙者は積極的禁煙治療を必要とする患者という認識」が必要です。

　また、長年たばこを吸っていても、禁煙するのに遅すぎることはありません。若年で禁煙するほど効果的なのは言うまでもありませんが、禁煙は年齢にかかわらず、全ての人に健康改善をもたらします。さらに、周囲の人を煙で汚染する心配もなくなるなど、すぐにもいいことがあります。

　禁煙治療を希望される方は、かかりつけ医から禁煙外来を実施している医師・医療機関に紹介することもできますので、お気軽にご相談ください。