あさひ総合病院　内科　医師　並河　大器

　「朝からふらふらします。脳梗塞が心配なんです。」そう言われて受診される方が結構おられます。ふらつきの原因は頭の病気の時もありますが、心臓が原因のことも多いです。

　その１つが心房細動という不整脈の一種。心臓が非常に細かく動くことで血流が悪くなり、脳に送られる血流が不足して、ふらつきに繋がります。加齢や高血圧が原因と言われ、80歳では10％以上の人がもっている病気です。不快な症状がなく無自覚に過ごしている方も多いです。しかし、血流がよどみ血の塊ができることで脳梗塞の原因になる怖い病気でもあります。

　実はご自身で診断ができます。手首の親指側を押えると、脈の拍動が感じられると思います。これが乱れていると、心房細動の可能性が高いです。最近はスマートウォッチでも心電図機能がついたものもあります。治療には、心房細動自体を治すカテーテル治療や、血の塊を作らないようにする抗凝固薬の内服など、いろいろな方法があります。脳梗塞の予防のためにも、ぜひ、かかりつけの医師に相談してください。