あさひ総合病院 内科 医師 粟山 高寛
2024年の夏は例年以上に暑くなるという話題をよく聞きませんか?統計を取り始めて以降、125年間で最も暑かった昨年の日本。今年は、それを上回る暑さになる可能性が高い!ということで今回は熱中症についてお話をさせていただこうと思います。
熱中症とは簡単に言えば、暑さによって体温調節がうまくできず、体に熱がこもった状態のことです。軽いものであれば立ちくらみや倦怠感・頭痛などの症状ですが、重症のものであれば意識障害や痙攣が起こったり、最悪の場合は亡くなったりしてしまう場合もあります。熱中症は屋外で活動している若者に起こる病気と思われがちですが、実は住居の室内で過ごされている高齢者に多い疾患なのです。知らず知らずのうちに体内の水分量が減少して脱水状態に陥り、のどの渇きや暑さに気づかず熱中症になって救急搬送される方は実際に多いです。特に利尿剤を服用している方やトイレが心配で水分を控えてしまう方などは注意していただきたいと思います。
ちなみに余談ですが、2023年の富山県内の熱中症による救急搬送状況としては7月に245人、8月に392人が搬送されています。ご家族や周囲の方が協力して、熱中症にならないように見守ることも大事です。皆さんも熱中症には十分気をつけましょう。
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