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2024年9月号 傷の手当の仕方は昔と今じゃ大違いというお話

2024年9月号 傷の手当の仕方は昔と今じゃ大違いというお話

              あさひ総合病院 形成外科 医師 小林 耕大


 今回は「傷の手当」についてお話したいと思います。

 日頃の診療では怪我ややけど、ペットに噛まれたなどの傷を診る機会がたくさんあります。また、よく患者さんから「傷は触らないで濡らさないほうがいい」や「怪我は乾かして治すのがいい」という話を聞きます。実は、こうした処置の仕方は傷の治りをかえって悪くさせてしまいます。

 傷をきれいに治すためには①傷は綺麗に水道水で洗い、泡石鹸を使って傷を優しく撫でるように洗浄する。この時、砂利や砂があれば洗い流す。(洗い流すのが難しい場合は病院を受診)、②血がにじんでくるようであればガーゼや清潔なハンカチ・タオルなどで5分程度押さえる、③傷を洗い、ワセリンやゲンタシン軟膏を綿棒で傷に塗り、ガーゼ又は通気性の良い絆創膏を貼る、この処置を1日1回行うようにしてください。このように、傷を清潔にし、治りやすい環境に整えることが非常に大事です。一方で、こうした処置を行っても、傷が赤く腫れ、熱を帯びて痛みが強くなることがあります。その場合は細菌感染している可能性があるので、病院を受診しましょう。

 怪我は予期せぬ時に起きるものですが、最初の対応が肝心です。ご自身や身近な人が怪我された時はぜひ実践してください。また、傷の処置で困りごとや、治り方に不安がある場合や傷が治った後の傷跡のケアについて知りたい場合は、ぜひ形成外科を受診して下さい。

 今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

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