あさひ総合病院 内科医師 渡辺 一海
高齢者の健康維持に、地域での交流が重要な役割を果たすことがわかってきました。富山大学の調査によると、週に1回程度「通いの場」へ参加している人は、参加していない人と比べて要介護状態へ陥りやすさが72%も低いそうです。
「通いの場」とは、地域の高齢者が定期的に集まり、交流や様々な活動を行う場所のことです。通常、公民館や集会所などの身近な場所で週に1回程度開催され、参加者は体操や趣味活動、レクリエーションなどを楽しみながら健康づくりに取り組みます。
「通いの場」の効果は、これまでにも多くの場所で検証されています。過去の報告によると、身体機能低下の予防に効果的であることはもちろん、認知機能低下の予防にも一役買っていることが明らかとなっています。
また、社会的な結びつきが少ないと、要介護状態となるリスクが高いという報告もあります。
みなさま、「通いの場」を通じて、交流を楽しみながら健康維持をしてみませんか。まだ参加されていない方は、役場などへ問い合わせて、近くの「通いの場」の情報を入手してみてください。すでに参加されている方も、知人や近隣の方々に声をかけてみてくださいね。一歩踏み出す勇気が、新たな可能性を開くかもしれません。
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