あさひ総合病院 内科医師 福田 晋平
病院を受診するときに「家族歴」を聞かれることがあると思います。「父が糖尿病と高血圧で、母が乳癌で」といったように、すらすらと伝えることができますか?
病気の中には、血の繋がりのある家族の病気と同じ病気にかかるものがあります。遺伝によって起こりやすくなっている病気もあれば、性格や気質が似てその結果生じやすくなる病気、味の濃さや食事量などの生活習慣で起こりやすくなる病気もあります。例えば、家族が虫垂炎になったことがある人は虫垂炎になりやすいと言われています。ほかにも、高血圧は塩分の多い食事を続けているとなりやすくなりますが、塩分の摂取量は同じ濃さの味付けをしていると家族で似てくるので、家族内発症が起こりやすくなります。多くの生活習慣病において家族で同じ病気になりやすくなるのは、遺伝的な基盤のうえに同じ生活習慣を共有するために起こります。
そうした家族歴も含めた病気の起こりやすさを医師が判断し、まだ病気に至っていない「未病」の状態から病気のなりやすさを意識することで病気の予防を行うこともできます。自分が何の病気になりやすいかを気をつけるためにも、ご家族がかかったことのある病気、今通院中の病気をいちど聞いてみてください。
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