あさひ総合病院 外科医師 堀 亮太
あさひ総合病院の胃腸科・外科を担当している、堀亮太と申します。今日は、「胃の痛み」についてお話します。
皆さんは、おなかのどこに痛みを感じた時に「胃の痛み」と思われますか?多くの方は、みぞおちあたりに痛みを感じたときに、そうおっしゃることが多いようです。しかしそれは本当に「胃の痛み」なのでしょうか?
痛みは発生した部位から神経を介して、脊髄を通り脳に送られます。同じ脊髄内の神経細胞を内蔵や皮膚からの神経が一緒に経由して脳に送られています。その結果、脳では皮膚の痛みと個々の内蔵の痛みを見分けることが難しくなることがあります。みぞおちは胃のあたりと神経が重なるため、胃の痛みをみぞおちの痛みと感じることが多いのです。一方、みぞおちの痛みは、胃に加え、小腸、肝臓・胆管・胆嚢・膵臓までが原因となります。よって、胃の痛みと訴えて受診された患者さんの痛みが、別の臓器の痛みであることが珍しくありません。
例えば、食後の胃の痛みに対して、胃薬を飲んでいるのに、よくならない時、違う臓器が原因である事もあります。このように、自己判断せず、軽い症状でもよくならない場合、当院も含めたお近くの病院・医院に、早めにご相談いただきたいと思います。
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