あさひ総合病院 内科医師 菊島 明浩
夏になると気になるのが熱中症。普段から熱中症に気をつけて頻回に水分摂取しておりますでしょうか?
夏の屋外での作業は強い日差しの下で行われ、熱中症の危険が特に高まります。高齢者は年齢とともに体温調節機能や喉の渇きを感じる力が弱くなるため、自分では暑さや脱水に気づきにくく、知らないうちに体に負担がかかることがあります。
熱中症を防ぐためにはこまめな水分補給が重要です。ここで注意したいのがスポーツドリンクの飲み過ぎです。スポーツドリンクは塩分や糖分が多く含まれ、高齢者が大量に飲むと血糖値が急激に上がり、高血糖高浸透圧症候群という危険な状態に陥る恐れがあります。この状態は命に関わることもあるため、水や麦茶など糖分の少ない飲料を飲みましょう。
また、30分おきに日陰で休憩を取り、帽子やタオルで直射日光を避ける、通気性の良い服を選ぶといった工夫も大切です。周囲の人と声をかけ合い、顔色の変化やふらつき、異常な汗のかき方などに気づいたらすぐ作業を中断し、涼しい場所で休むことを優先してください。
無理をせず、仲間と支え合いながら、安全に屋外の作業を行いましょう。
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